依存症になってしまったフォロワーへの祈り



今から書く言葉はあなたに捧げる祈りです。



親愛なるフォロワー、あなたと出会ったのはまだ私が前ジャンルにいた頃でしたね。

何気なく開いたツイキャス、どうしようもない出まかせの下ネタを、あなたは黙って25分間聴き続けていました。

コロナ禍で開いたもくりで、あなたと初めて話しました。その頃から、あなたは既にキッチンドランカーでした。私がアルコール依存症だと指摘すると、驚いたように「そんなことは初めて言われた」と言いましたね。聡明なあなたは、すぐにその事実を受け入れてくれました。


私たちは毎晩のように、もくりで語らいましたね。ときにあなたはビールを数本あけて酩酊することもありましたが、頭の回転がはやく知識に貪欲なあなたと話すのは楽しくて仕方がありませんでした。


私がジャンルを移った頃、あなたにもまた大きな環境の変化がありました。私はそれを祝福しました。あなたが幸せになる一歩になると信じていました。


あなたから約一年ぶりに連絡をもらったのは、ほんの一週間前のことです。

あなたは酩酊し、夜中の公園でひとりウィスキーをあおっていました。あんなに好きだったビールではなく、不味い不味いと文句を言いながらストレートで安ウィスキーをボトルから直接。

あなたの大切なものは引き離され、新たに得た大切なものからは暴力をうけていました。


あなたは言いましたね。「わたしがそう仕向けている」「わたしのせい」と。「死にたい」「わたしは死んではいけないのか」と。




フォロワー、驕らないでください。

あなたはたった一杯の酒すらコントロールできないのに、どうして他人を操れるなどと勘違いしているのですか。

あなたには、あなたの大切な人から、かけがえのないものを奪う権利があるというのですか。


フォロワー、あなたはいまかつての聡明さを失っています。

もっともらしい言い訳と屁理屈を捏ね回し、それでも自分は理性的だと疑わないあなた。

あなたの思考はもはやあなたのものではなく、酒のものなのです。


フォロワー、どうして私に連絡をくれたのですか。

酔えない酒を楽しくするためですか。

あなたを肯定してほしかったのですか。

もしかして誰かに、いまの状況をかえてほしかったのですか。




フォロワー、遠く離れた地のあなたに、私ができることは多くありません。

だから祈ります。

あなたがあなたの弱さと無力さを認められますように。

あなたが神や、医者や、自助会のような、あなたより大きな力を持つものに身を委ねられますように。

あなたの近くにいる人が、それを助けてくれますように。



私にはあなたの人生を背負う義務も責務もありません。口を出す権利すらありません。それでもこの一週間、あなたのことばかり考えるほどに、あなたが好きです。ただ好きなだけなのです。

だからせめて、遠くから祈らせてください。




そしていつかまた、あなたと楽しく話せますように。



かつてアルコール依存症だったわたしより